密室の恋 1

 きっかけはつまんない誉め言葉だったのかもしれない。
「市川さんのいれるコーヒーって美味いからさ」
 ……とりえのない子へのせめてものお世辞と言うか。
「自販機まで遠いし。ついついお願いしたくなるんだよな」
「さすが元カフェにいただけあるね」
「ね、ね、オレ、ハート書いて。――おい、オレのカップ取ってくれ」
「オレもカフェマキアート。『しんご』って入れて」
「―――こちらでよろしかったですか? お客さま」
「あ、そうそう、そんな言い方するよな」
「ゲキうまっ」
「ああ、生き返る〜〜」
「これが会社の経費(つまりタダ)で飲めるなんて。く――。大きな声じゃいえねーけど、やっぱコーヒーいれるの上手い子っていいな」
「マジ実感」
「うんうん」
「ありがとうございますー。またどうぞ」
 なんてバカやって。
 ――だってさ、みんなみたいに仕事抱えてないし。
 私は派遣社員。4ヶ月契約でこの会社にやってきた。
 やることと言えばコピー機往復、文書作成、お茶汲み、そんな感じ。
 ――これ終わったら次の仕事すぐみつかるかな。
 田舎の親がうるさいんだよね。『またバイトか』って。
 だからバイトじゃないって。言っても言ってもよくわかってない。
 26歳。ウチの田舎じゃビミョ〜な年齢。だからうるさい。
『結婚はおろか、ちゃんと働きもしないでなんでわざわざ東京に住むかね〜?』
 くっ……。
 そりゃ出来たら本採用されたい、私だって。
 この会社結構給料よさそうだけどなー。
 ……ダメだよね、契約終了まであと1ヶ月ない。
 そんなある日、人事課から連絡があった。
「市川さん。正社員になる気はないかね」
「え?」
「会長のお世話をして欲しいんだ」
「会長?」
 ――嘘。夢?
「そうだ」
「……私、秘書の資格持ってないですけど」
「いや。業務は秘書じゃない。……現在の延長と思ってくれていいよ」
 ――てことは、お茶汲み? 超ラッキー。
 自分の幸運を素直に喜ぶ私。
「――ただし」
「はい」
「会長は大変完璧主義なお方だ。その点だけは注意するように」
 ――完璧主義?
 ちょっと気になったがその日は浮かれてそんな言葉すぐに忘れてしまった。


 ――会長……。どんな人なんだろう。
 派遣会社との折り合いがついた(らしい)数日後、秘書室長さんて人から指導を受けた。
 30代くらいの女の人だ。私の配属部署は総務課秘書室。だからこの人が直接の上司となるわけね。
「――聞いてると思うけど、会長はとっても潔癖症なの。それと大変なコーヒー党。一日に何杯もお飲みになるから、必ずいれたてを差し上げてね」
「はい」
 ――何だそんなこと。
 お安い御用だ。
 私は人材派遣に登録する前はカフェでバイトしてた。
 コーヒーいれるなんてそんなの朝飯前。
 潔癖って綺麗好きってこと? 楽勝、楽勝。
「あの」
「何?」
「それだけでいいんですか?」
 そう聞くとその人の顔が曇った。
「……」
 ――何その沈黙。
 頭に想像図が浮かぶ。
 ――よほど神経質なお爺さんなのかな?
 ちょっとでもこぼすと、『いれなおし!』って怒鳴るとか?
 ――まあいいじゃん。それだけで月給30万以上だもん。保険も年金もつくし少々のことは我慢しなくちゃ。
「――今までの要領でコーヒーをいれてくれればいいから。あなたとってもお上手なんですってね」
「はあ」
 ――お上手ってほどじゃ。カフェでバイトしてたら自然と身につく程度だけど。
 でもまあ幸運を祝おう。
「最初に心得を言われると思うからよく伺ってね」
「はい」
 私は会長室へと案内される。初めて通るピカピカの廊下に室長さんのヒールの音が響いて。
「失礼します。新しい社員をお連れしました」
「ん」
 緊張の一瞬。
 最上階のひろ―――い部屋。ゆっくりとこちらを向く人物。
 大きなデスクの後ろには東京風景が広がって。
「市川香苗くんか。よろしく」
 うっ、とうろたえる。
 思ったよりうんと若い。
 黒い髪。
 高そうな細いフレームの眼鏡。
 見るからに神経質そうな……。
 でも。


 ――すごいカッコいいんですけど。 
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密室の恋 2

 名前だけは聞いていた。ていうか契約書に書いてあった。
 九条成明――くじょうなるあき。
 ……ありえるの、そんな名前って。
「では、会長、わたくしはこれで」
「ご苦労」
 さっさと出て行くし秘書室長。
 ――オイオイ、前ふりなし?
「――市川くん」
「は、はい」
 低い声。
 見つめられて心音が速くなる。
 眼鏡かけてるけど……。
 よくわかる。すごくシュッとした顔。
 整ってるけど濃くなくって。
 神経質そうでもあり……気品漂う。
 なんか。
 名前からして、やんごとなきお方って言うか。
 ……それが第一印象。
「君の任務は聞いてるな?」
「はい。あの、お茶をお出しするようにって」
「そう。それと整理整頓。そこのデスクのPCと給湯室、予備室は好きに使っていいが、それ以外は私が言ったものだけを触るように。あとでPCを起動させて君のメールアドレスを確認しておきなさい。――早速だが一杯いれてもらえるか? 給湯設備は左側のドアの向うにある」
「はい」
 ――心得ってこれだけ?
 ……みたいなのでいきなりコーヒーをいれる。
 すっと指された向うのドアを開けると圧巻――。
 ちょっとしたカフェの厨房だよ。まるで。
「……豆の挽き方。わかるかな」
「はい」
 ――すげ、さすが金持ちは違う。
 呟きながら、私はバイトの要領を思い出してコーヒーをいれる。
 この豆。焙煎したての真空パックだ。しかもブルマじゃん。
 確かにコーヒー豆ってのは香りがすぐに飛んじゃうけど、カフェのお客さんでも本当にこだわってる人はそんなにいなかったな。
「お待たせしました。どうぞ」
「ん」
 いい匂い。
 この部屋。すごく広くて、書棚がぐるっと囲んでて。
 全体的にカフェの雰囲気あるかも。
「ん……。美味いな」
 さらっと言われる。
「……ありがとうございます」
 御礼言うのも変だけど黙ってるのも失礼なのでそう答える。
 カフェのお客さんに出してるみたいだな。
 2、3歩後ずさりして、見て。
 だって……カッコいいから。
 ゆっくり、会長はカップを傾けて。
 私は下がって、デスクに着席。
 ノートPCだけが置いてある。
 起動してメールボックス開いて、時間をやり過ごして。  
 飲み終えたらしい。
「もう一杯いれて」
「はい」
 また近づいて。
 何故か私はそこで腰をかがめた。
 カフェでオーダー取るときみたいに……。
「次は薄めがよろしいですか?」
 緊張してたのかどうなのか。でも、わざとじゃなくて。
 この人、この部屋の雰囲気のせいかもしれない。
「……何だ? 何の真似だ」
 会長はこっちを向き、表情を少しだけ崩した。
「あ、すみません。以前お店でこうしてたので。つい」
「……店? 面白いことをするな、君は。――いいよ。濃い目で。昨夜の酒が残っているんだ。すっきりさせたい」
「はい」
 ――面白いことって。
 カフェでオーダーするとき店員がよくやってるじゃない。
 こんな堅い反応されたの初めてよ?
 プッと吹いてノッてくれれば、
『あ、ついくせで。やだ。――いかがいたしましょうか? お客様』
 なんておどけられるんだけど。職場でもふざけてやってたし。
 もしかして。
 この人カフェに行ったことないの? コーヒー好きなのに。
 この、下の職場が嘘のようなしーんとした静けさ。
 ちょっと気まずくなって二杯目を入れる。
 お出しして、今度は離れて見ていた。
 見れば見るほどいい男だ。
 ――潔癖症か。まさにそんな感じ。
 飲み終えて片付けるとき、尋ねてみる。
「あの、私はこの部屋にいていいんでしょうか」
「どうぞ。ここでも予備室でもご自由に。飲みたくなったら呼ぶから」
 そう言われる。
 ――何だ、楽勝じゃん。
 コーヒーいれてこぎれいにしてればいいんでしょ?
 30万のためだ。頑張るぞ。


「どうだった? 会長」
 定時を過ぎて秘書室に戻ると室長が近寄ってきた。
「はい。飲んでいただけました」
「――何もおっしゃってなかった?」
「?……はい」
 特には。ちょっとびっくりされたのは別にセーフ、だよね? 言わなくても。
「本当にあれだけでいいんでしょうか。あの、他に書類の整理とかしなくても」
「それは……。秘書の者がやってるから。報告もPCを通してね。会長は人の出入りを嫌がるの」
「そうなんですか」
 マジあれだけ? 楽勝じゃん。あんなカッコイイ人で。お昼までご一緒させてもらったし。
「本当に何も言われなかったの?」
「はい」
「お昼ご飯は」
「あ、ご馳走していただきました」
「えっ」
 ――会長さんに連れて行ってもらって。かなり高そうな店。
「……」
 驚いた後、彼女は私の目をじっと見つめた。
 だから何。その沈黙。
 ――別に普通だったけど?
 あの人はずっとPCとにらめっこしてて。
 私はカフェコーナー(と呼ばせてもらおう)のチェックをしたりして過ごしていた。
 エスプレッソマシンまでマジカフェ並みに揃っていて、はりきっちゃって。
 どこに何があるか覚えて、呼ばれりゃコーヒーいれて。全然守備範囲だ。
「……あの、ひとつ聞いていいですか」
「え、ええ」
「会長って、おいくつなんですか」
「……33歳よ」
 ――へー。そうなのか。
 見た目は年相応って感じだけど、会長としてはかなり若くない?
「――そう。一緒にランチを。お咎めがなかったのならよかったわ。これからも頑張ってね」
「はい」
 お咎め?
 何か引っかかるけど。
 (祝)正社員一日目は、そんなところだった。
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密室の恋 3

 次の日。私は部屋の隅っこでPCを開いた。
 会社のホムペ見てみると、社長の顔写真は載ってても会長のはなかった。
 小さく名前と、経歴だけ。生年月日省略。
 当たり前のように外国の大学卒なのね。すご。
 ていうか、何で社長が60代で会長が33歳なの?
 変な会社……。
 私の仕事も変だけど。
 今朝も室長に『頑張ってね』と言われた。すっごい気の毒そうな顔で。
 そんなに大変な仕事とは思えないのに……。
「市川くん」
「はい」
 呼ばれたらコーヒーいれればいいんでしょ?
 カフェのバイトのこと思えばめちゃ楽。
「どうぞ」
「ありがとう」
 なんか……。
 1人のお客さんだけ接客してればいいって感じで。
 超ラク。
 確かに神経質そうではあるけど、怒らせなければいい。
 距離置いて。それって接客の基本だもの。
 (おっさんくさくない)綺麗なお部屋で、掃除も大してしなくていいし。
 楽してお金もらってタダ飯くらって。
 タダ飯……。昨日はそうだったけど、気をつかって今日は家から持参した。
 シンクの設備が整ってるから家にいるときみたいに調理できる。鍋たくさん使う本格的なのはダメだけど。
「あの……。すみません。調理台少し使わせて頂いてよろしいですか?」
 一応断りをいれておく。
「ああ。どうぞ。好きなように使って」
「お皿とかもいいですか?」
「皿か。いいよ。食堂のものを返し忘れたんだな」
 ――白いお皿や銀のフォークがちょうどいいくらいの数揃ってる。コーヒーの器はさすが高そうなのが並んでて。
 わくわくしちゃう。
「あの」
「何?」
「……よろしかったら、何かお作りしましょうか? その、軽食程度」
 そう言うと、ちょっと驚いた顔をされた。
「……あ、すみません。どうかなと思って」
 すぐに謝る。機嫌損ねて30万パアにしたら大変だ。
「何か作れるのか」
「はい。ま、簡単なものですが。例えば今日でしたらベーグルのツナサンドとか、あとお惣菜みたいなのも……」
 ま、カフェめしってヤツですか。ベーグルとツナその他家にあるもの持ってきたの。
「……それじゃお願いしようか。外に出る手間が省ける」
「はい」
 というわけで2人分の昼食を作る。
 ベーグルにツナサラダ詰めて、野菜盛り付けて。オリジナルドレッシングかけて、ナッツ散らして。
 付合わせは野菜のスープ。無印のパウチだけどね。ここのは安くて中々使える。豆カレーは特にイケる。店でも時折出してたもの(企業秘密)。
「あの。どうぞ。お口に合うかどうか」
「ありがとう」
 サーブして、自分の席に戻る。
 静かに合掌。部屋の端と端で同じ物を食べる。
 会長はPC見たままパンを口に運んで。
 仕事人間なんだな。
 冗談ひとつ言わない。
 だけども。
 いいかも。この距離感。怒られないコツつかめそう。
 それに。
 この人見てると飽きないって言うか……。
 遠くからそっと眺める。
 PCの陰から少しだけのぞく、真剣な顔。スムーズに指動かして。長い指。端正な顔。切れ長の目。黒い髪。銀縁眼鏡。
 素敵だ……。
 私、この部屋スキかもしれない。
 会長室と言うより、インテリアのお店みたい。
 タイムレスコンフォートとかコンランショップとかそんな感じ。
 この人の趣味なのかな……。
 広くて、すっきりしてて、眺め抜群で。
 近代的過ぎず、重厚すぎず。
 この空間、マジカフェ並みにゆったり過ごせる……。
 自分が働いてるときは味わえなかった気分に浸れて。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
 綺麗に召し上がってくれて彼はそう言った。
 最高の仕上げだ。
「これを」
 と、片付けようとした私にお札を差し出す。さっと。目も見ないで。
「え?」
 私はびっくりした。
「そんな。いいです。悪いです。昨日奢っていただいたし」
 だってこれ万札だよ? 驚くって。
「……君のものだろう? 悪いのはこっちだ」
「そんな」
 会長はふっと一呼吸置いた。
「――それではこうしよう。これで材料を買ってきて明日以降も何か作ってくれ」
「えっ?」
 今度は別の意味でびっくりする。
「……外食するのもオーダーするのも面倒だと思っていたんだ。君がよければそうしてもらえると助かる。――やや任務外になるがね」
 とんでもない! 任務外って。任務がコーヒーと掃除だけじゃ申し訳なくって。
「――ありがとうございます。そ、それじゃやってみます!」
 私はぺこっと頭を下げた。
「ん。頼む」
「――リスト作っておいていいですか? お好きなものとお嫌いなものと」
「……そうだな」
 お伺いして、メモメモ……。
 ――小海老、イクラ、納豆などのネバヌル系、にんにく(これは当たり前?)がダメなのか。あと、甘い和惣菜と。好きなものは特になし。
 なんかかわいいな。
 ちっちゃい子を育ててるお母さんみたい。
 体の中からやる気が起こるっていうか。マジイヤじゃない。
 早速今晩仕入れに行こうっと。


 幾分浮かれて秘書室に戻ると、今日も聞かれた。
「市川さん、どう? 平気だった?」
 ……室長さんはいい人なんだな。
「はい」
 と答えると、
「我慢しないでね。昼休みは下りてきていいのよ」
 なんて言ってくれて。
 ――そんなどころか。超快適なんですけど。
 出社時と帰宅時に秘書室に寄って挨拶をして。
 会長室と秘書室は別のフロアなので勤務時間中は殆ど他の人に会うことがない。会長は部屋に客を入れないし。
 応接室は別にある。というか、あの人は大抵の会議や会話はPCでするみたいだ。
 ある意味隔絶された空間で私はプレッシャーを感じることなく過ごせて。
 ホントこれでお給料もらえるのかな?
 ……しくじらないよう頑張らなきゃ。
「お疲れ様でした」
 階下に下りてると、エレベーターに見覚えのある人たちが乗ってきた。
 派遣されていた職場の男の人たちだ。
「市川さんだ。よぉ、やってる?」
 途端に皆心配顔で私を見る。
「市川さん、いきなり飛ばされちゃったねえ」
 ――飛ばされたって。
「社員採用おめでとう!……って言いたいところだけど。大変なんだろう? 会長の側につくのって」
 ――知ってるの?
 室長が言ってたようなこと。
「は、はあ。ま、ぼちぼち」
 私は言葉を濁した。
「噂じゃ1ヶ月もたないって聞くよ?」
 え、そうなの?
「噂だけどね。直接俺らと関係ないじゃん? 俺ら誰も会長見たことないから」
 ――私もそうだった。
 会社デカイし、下手すると社長の顔も入社式くらいしか見ないとか?
 ――会長があんな若いってみんな知らないんだ。
 いや、年齢と言うより、社内のどこかですれ違ってもまさかあの人が会長だなんて思わないだろう。
「ん、でも、社長より若くてびっくりしました……」
 さしさわりのない程度に私は言った。
「え? そうなんだ」
「――それって普通なんですか?」
 聞いてみる。
 実際は親子ほど離れてて。そんなのありなんだろうか?
「ん――。いや。年はあんま……」
「――雇われ社長だからさ。今の社長」
 別の人が口をはさんだ。
 ――雇われ社長?
「会長は創業者の一族で……。今でも最終の決定権や権限は会長にあるって聞いてるよ。名目上は別の取締役が最高責任者になってるけど。CEOとかCFOとか」
 ふーん。
 それで忙しそうなのかな? ずっとPC見てるもの。
「まあ俺らには関係ない話だよな。そんな人にお茶出すの緊張するだろうなあ、市川さん。お察しします」
 えっ。全然。
「――市川さん、辛くなったらいつでも戻っておいでよ。どうせなら社員のまま戻ってこれればいいのにね? 課長も心配してたよ。社員がダメなら派遣の申請出したままにしておこうかって」
「ホント、ホント。またコーヒーいれてよ」
「美味かったよ。マジで」
「市川さんが持ってきたドリッパー置いたままにしてるよ。エスプレッソ沸かす小さいやつも。ウチの女子社員誰もやってくれないんだ」
「ていうか、へたくそ」
「あー。何かコーヒー飲みたくなってきた。帰りスタバ寄ってこうかな。……復帰待ってるね。市川さん」
「……ありがとうございます」
 何だか著しく見解の相違を感じ私はそれ以上の言葉を慎んだ。
 ――また戻っておいでって。
 ありがたいけど。
 派遣の申請? 派遣に戻るなんて絶対イヤだ。
 給料15万足らずと30万強の差は歴然だ。ボーナス半年つくし。
 夢の年収500万の壁突破なるか、だよ?
 戻れなーい、戻れない。こんな楽なのに戻ってたまるか。
 ――1ヶ月もたないって。
 みんな私もすぐにクビにされるって思ってるんだな。
 やめてたまるか。親にだってやっと自慢できそうなのに。

 私、きりっと気を引き締め、夜の街を食材集めに走った。
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密室の恋 4

 そろそろ寒い、夜の新宿。でも何だかバイトのときより楽しい。
 それはお客さんがひとりだから……。お客さんがあの人だから?
 久しぶりに本屋さんで料理の本めくってみたり。
 ああ、思い出す。メニュー開発にみんなで研究したっけ。
 なつかしーなー……。
 数あるバイト経験の中でもカフェのバイトは私に合ってたかもしれない。
 あの時やめてなかったらまだ続けてたかな。
 でもな、店長がちょっと……。
 それに親がいい顔しなかった。
 勤めるなら絶対大きな会社だ、なんて信じちゃってるから。
 これだから田舎者は困る……。
 でも今その大企業にいるけどね。念願の正社員で。
 初給料もらったら絶対親に報告しよう。
 ――驚けよ、親!
 私ははりきっちゃってすごく早く出社した。
「おはようございます」
「おはよう。市川さん。早いのね……」
 不安げな室長さんに挨拶してとっとと上に上がる。
「どうぞ」
「ありがとう」
 朝イチのコーヒー。会長は何も言わず口をつけて。
 その様、ホント絵になってるから私のやる気は増幅する。
 最初のブレークタイムが済むと、私はPCを開けた。
 ノートパッドに昨夜考えたメニューをズラズラ書き出す。
 今日は……。
 ふふ。タコスなんてどう?
 お店のメニューをアレンジ。
 白髪ねぎのチャーシュータコス。
 ねぎはちょっとお昼には香りが残るから別のアレンジで。
 これってやや中年向けじゃない?
 彼には休憩時間ていうものが存在しなくて、仕事が一段落したときがお昼の時間だ。
「あ、あの。お口に合うといいんですけど」
「ん。ありがとう」
 頃合を見計らってお出しすると、すっと手にとって食べる。
 ……至福の瞬間。
 遠くから覗き見する。
 いいな、この感覚。
 なんかくすぐったいような。そんな感覚。
 彼はPC見ながら綺麗に食べてくれた。
「君は器用なんだな」
 お皿下げるときそう言われて顔から火が出そうになる。
「――と、とんでもないです。こんなの誰でも出来ますよ。本とかにも出てるし。それに私、カフェで働いてたんで」
 言っちゃった。
「カフェ?」
「は、はい」
「……そうか。だが君が初めてだよ、そこで料理なんてしたのは」
「そ、そうですか」
 ――無茶苦茶照れる。私みたいなのってその辺のカフェにごろごろいるのに。
 ラッキーだよね。マジこの運大切にしなきゃ。


 午後。会長は誰かと会話をしていた。
 画面越しにずっと……。
 低く流暢な英語が心地よく流れて。
 便利だよね。
 部屋にいて大抵のことできちゃうんだもの。
 カフェの設備まで整っててさ。
 ……ちょっとしたウチじゃない?
 くす。
 ここがウチだったらなー。
 そう思うともっと楽しい。
 私の部屋なんてぼろアパートだし。
 会長さんってどんな所に住んでるんだろう。
 きっとすごい家なんだろうな。
 億ションてヤツかな。
 ……その前にこの人結婚してるの?
 そういえば誰も教えてくれなかった。
 ……してるだろうな。33歳なら。
 奥さん、どんな人なんだろう。
 ――でも。指輪してたっけ?
 会話が終わった。
「あ、あの」
「ん?」
 不意に。
「……あ、甘いものはお食べにならないんでしょうか?」
 そう言って近づいて。
「甘いもの?」
「はい」
「――そういうのはあまり食べないんだが」
 ――自分だけ食べるの悪いし。
「コーヒーに合うものを作ってみようかなと思うんですけど」
「ん。……あまり甘くなければ」
「はい」
 ちらっと見たら彼の左手に指輪はなかった。
 ドキドキした。
 ――でもま、男の人って指輪嫌がる人多いって聞くし。
 この人、そういうタイプかも。
 潔癖症だから……。
 席に戻ってさっきのパッドを出した。
 甘いもの。スイーツ――。
 何がいいかな。
 トライフル。
 ぱっと浮かんだ。
 ……ちょっとこってりし過ぎかな。
 フォンダンショコラ。
 ……これも重いか。
 ――プリンは?
 ん、食べたい。
 フルーツ添えて。
 ――あ、でもお子ちゃまっぽいかな。
 会長がプリンなんて。
「プ」
 ちょっとかわい過ぎる。第一コーヒーに合わない。これはダメだ。
 何がいいかな。突然あんなこと言うから。私。
 また本屋あさってみようか。
 いや、ネットで調べるとか。
 いいのかな。会社のPCそんなことに使って。
 なんかこれって仕事してるっていうより……。


 なわけで連日街をうろつく私。
 何軒目かの本屋で昔のカフェメニュー本を見つけた。
 棚に手を伸ばすと、別の手が近づいてきて。
「あ」
 同じ本のところでぴたっと止まる。
 ぱっと顔見てびっくり。
 バイトしてたカフェの店長だ。
「や、香苗ちゃんじゃん」
「あ、お久しぶり……デス」
 ちょっと伏目がちに挨拶する。
 相変わらずだ、店長。栗色のロン毛。ふわっとウェーヴかかってて。
 まあ今風のおにいちゃんだよな。
「元気ー? その後どうしてる?」
「あ、派遣登録して」
「へーそうなんだ。じゃ、事務?」
「は、はい。まあ」
 私はいかにもそんな風に見えたんだろうな。
 服装が随分と落ち着いちゃってるし。化粧も。
 カフェにいたときと自然に変わった。
「真面目にOLしてるんだ。どう?」
「うーん。まあまあです」
 こんなとき、『バッチリです!』って言えないのはどうしてなんだろう。
 マジラッキーな職場なのに。何故かそのこと隠してしまう。
「店長は? メニュー研究?」
「ん。まあ、そんなとこ」
 こんな時間に? まだ店やってるだろうに。
「今日は休みですか?」
「ああ。実は独立して店出したんだよね」
「え? それはおめでとうございます」
 そっか。それで。
 私は納得した。
 ……20代で店かあ。
 割とよく聞く。
 私もどこかでそんなこと思っていた。
 体壊してやめちゃったけど。
 それに……。
 この店長、ちょっと苦手だった。
 いい人っぽいんだけど。
 具合が悪くてバックで休んでるとき妙に体触られて。
 一緒にバイトしてた子が『エロ店長』なんて呼んでて。
 ふざけて言ってるのかと思ってたら『ヤラれかけた』って聞いて驚いた。
 実は……。
 それが店を辞めた決定的な原因かもしれない。
「もしさ、また働いてみようって気になったら教えてよ。ケータイ変わってないから」
「はい」
 懐かしいけど……。私は今の方がいいな。なんちゃってカフェ。
 結構長話して、結局本はどちらも買わなかった。



 
 部屋に帰ってシャワー浴びて、メニュー決めて。
 出来上がって時計を見るともう12時……。
 私はモノを冷蔵庫に入れて、寝ようとした。
 ―――ガタンッ。
 音が響く。
 隣りの住人が帰ってきたんだ。
 どやどや足音が聞こえる。
 もしかして……。
 『連れ込み』?
 さっと布団に潜る。
「ああ、しまったっ。まただ、きっと!」
 思った通り……。そのうち壁の向うから声がきこえはじめる。
 つまり、となりの男が女を連れてきて、そういうことやってるわけ。
「ああん、はぁ」
 とかそういうの。やめろー!
 ここ壁が薄くて『アノ声』がすごくよく聞こえるのだ。
 これがもうすごいのなんのって……。
 実際聞いてみないとわかんないだろうけどね。この辛さ。
 枕をぎゅうって耳に押し当てても聞こえるくらいだ。
 ――ああ、失敗。店長なんかに会うから!
「×××!!!」
 スゲ。
 注意しようにも恥ずかしくて出来ない。
 だからいつも早寝するようにしてるのに……。
「×××××!!!」
 うるさいっ。
 早く終われよ、このエロ住人。振動まで伝わってるぞ。
 くそぉ、こんな部屋給料入ったら絶対引っ越してやる――。

 うるさい、うるさいい――。ああ、早く出社したい……。
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密室の恋 5

 ああ〜。眠い。キモすぎる隣の男。
 まともに見たことないけども。見れないよね、あれじゃ。
 電車の中で立ってるのに睡魔に襲われる私。
 ……やっぱ帰りに本屋回るのは時間がもったいないわ。本屋にいかなくても済む方法。ここはひとつ聞いてみよう……。
「あの、すみません」
「ん?」
 朝の挨拶のとき、いきなり会長に申し出る。
「ここのPCでお料理のサイト見てもいいですか?」
 ってズバリ。
 ちょっと面食らったような顔が返ってきた。
「――あ、すみません。どうせ作るんだったらおいしいものが作りたいなと思いまして」
「……いいけど。そんなに凝った物作らなくていいよ」
「は、いえ、メニューの参考、というか。毎日同じ物を出すわけにはいかないんで」
 なるほど、という具合に一回頷くと会長は、
「PCの使用については構わないが。そういうつもりならこれを使ってくれ」
 すっと胸の内ポケットを探る。
「え?」
 出されたものを見て私は目が飛び出そうになった。
「材料費がかかるだろう? とりあえずこれを使って」
 え―――?
 って、これ、ブラックカードじゃん!
「あ、あの? どうして、これって」
「何だ? いいから持っていなさい」
 ――マジ?
 アメックスセンチュリオンカード。はじめてみる。今までのバイト経験でも見たことない。
「……こ、これ。使えるんですか? その、スーパーとかで」
 これってどんどんお金使わなきゃいけない幻のエグゼクティブカードでしょ?
 そんなカードできゅうりとかレタスとかショボイもん買ってもいいの?
 せめてtakas○imayaカードとかだったら使いやすいのに。近いし。
 ってそんな問題じゃない!
 そもそも他人にカードをポンと渡すなんてマジ? この人、頭ヘーキ?
「使えるはずだが? サインは要らない」
 平然と。そうですか。
「……あのー。でも私カードとかあんまり使いたくないんですけど」
 こ、こわいよ。そんなの使って何か言われたりしたら。変なオッサンにあとつけられたりしたら……どうすんの?
「そうか。現金の方がよければそちらにするが。いちいち面倒じゃないか?」
 ――いや、そうじゃなくって。
 材料費ったってまだ9000円以上残ってるんですけど?
 これであと10日はいけると思ってるんですが。
「ま、君が使いやすい方がいいだろう。じゃあこれを使いなさい」
 と、また万札を出される。
 ――じゃなくって、札束!?
 えぇー――?
 ちょっと、給料分くらいない? コレ。
 何でこんなのがすっと出てくるの?
 驚いて声も出ない私。
「―――足りなくなったらまた言って。給料日までの分だ。来月分から基本給に上乗せさせておくから」
 ――は? なんつった、今。
 上乗せ?
「……話はそれでいいかな。席に戻って」
「は。い、いえ」
 お金が受け取れない私。
 お店辞めてからは札束自体見たことなかったりして。給料出てもすぐ使っちゃうし。
「で、でも、これはもらい過ぎじゃ……。ランチ作るくらいでそんなにもらっても……」
 うろたえてやっと言う。謙虚だ。さすが貧乏人……。
「どうかな? 昼食の相場はよく知らないが、外食すると4、5万するんじゃないのか。ここに運ばせればもっとするように思うが」
 えっ?
 耳を疑うお言葉。
 しごまん?
 そんな当たり前のように言わないで下さいよ。
「メニューにもよるが、まず人件費がね」
 ―――は。もしかして。
 初日のランチもそんな高かったの?
 確かにめちゃくちゃ美味かったけど、5000円くらいかと思った。個室で値段出てなかったし……。
 何この貧富の差―――!?
「だから君が専念するというのならそれ相応に払わなければならないだろう。店の料理人を雇っても金は払うしな」
 ちょっと、私はケータリング要員ですか?
「……あ、でも、そんなたいそうなものは作れないし。やっぱりもらいすぎかなって。それにそれならプロの料理人さんを雇った方がいいんじゃ……」
「外部の人間を入れるのは嫌なんだ」
 キッと睨まれる。
 ……外部のって。
 私もつい4ヶ月前までは外部の人間だったんですけど?
「こんな時勢だからな、用心するに越したことはない。君たちは知らないかもしれないが、社内に盗聴器や盗撮の類がないかどうかいつもチェックさせているんだよ。出入りを完全に防ぐことは不可能だからな。それに社の人間にしても信用できない」
「そ、そうですか。私……。余計なことを言ってすみません。何か、でしゃばった真似を」
 しがないカフェの店員だってのに。マジどこにでもいる。料理人扱いされるなんてとんでもない。
「いや。してもらえるなら私もその方が助かるんだ。君に言われてそう思ったんだよ。業務が増えるんだから給与も増す。当然だろう?……妥当な金額を調べさせて給与に上乗せするよ。」
「はあ……」
 信じられない、この人。
 上乗せってそんな大した物作ってないのに。
 私が買ってきたパンなんて100円だよ?
 一食当たり500円もかかってないよ?
 この人の金銭感覚どうなっちゃってるの。
 すごいこの差。
 この人にとっては『1ヶ月1万円生活』の方が夢のまた夢なんだ……。
  って寂しい例えだ。ハハ。
「それはとりあえずとっておきなさい」
「は、はあ」
 こんな『なんちゃってランチ』でこんなにお金もらえちゃうなんて。
 いいの?
「……でもまだいいです。無くなってからで」
「そうか? なら早めに言うように」
「はい」


 ぶっとび! の金銭感覚。でもまあお許しが出たので私は早速PCを開いた。
 途中一回のブレークタイム、ランチタイムを挟んでレシピサイトを回る。
 『カフェ メニュー ブランチ』
 その検索項目だけで無数のサイトがヒットするのだからきりがなく。
 昨日まで会長を見たりして過ごしたゆったりとした時間があっという間に過ぎていった。
 ランチのメニューはサーモンと野菜の生春巻き、アボガドスープ。
 そして、お昼過ぎ。私は昨夜作ったスイーツをコーヒーとともに彼のデスクへ運ぶ。
 ―――本日のスイーツ。いちじくのフィナンシェ。
 どう? これ。実は私が食べたかったってのもあるけど、『フィナンシェ』=『資本家』ってあの人にぴったりじゃない? そんな思いつきで作った一品でもある。
 お出しするとちょっと『コレ何?』みたいな顔されたけど、ひょいと口の中に。小さな一口サイズってところがミソなのよね。試食感覚で食べやすいっしょ?
 で、ランチともどもめでたく完食。やっぱこれが一番ウレシ―よね。
「……こういうもの食べるの初めてだよ」
 コーヒー飲んだ後言われる。
「そうなんですか? デザートに出てきません?」
 ――コース料理とかの。もっと凝った物が出てきそうだけど?
「デザートか。チーズくらいしか食べたことないな。あと果物とか」
 え、チーズってデザートなの? 初めて知った。
 ……つくづくこの人と私って感覚違うのね。
「そういえばすんなり口に入るな。君は本当に器用だね。金のことは遠慮せずに言いなさい」
 とまた言われて。
 ――めちゃくちゃ気前よくない?
 さっきはびっくりしたけど、何故か嫌な感じしなかったし。金持ちってこと見せ付けてるって感じでもなかった。
 マジこんな簡単メニューで30万以上の給料もらえちゃうんだ?
 超ラッキ―――――!! 生きてて良かった!
 しかも会長のお許しつきでネットまで出来て――。
 ネット……。
 ところで色んなサイト見てるうちに私はあることを思いついた。
「あの」
「何?」
「えっと、あの、予備室に移ってPCしてもいいですか? じっくり作り方マスターしたいんで」
「構わないが。だがあの部屋のPCは古いよ。多分win2000で止まってるんじゃないかな。ソフトもインストールしなおさないと」
「あ、いえ。ここのノート持って行っていいですか?」
「……いいよ。配線の仕方わかる?」
「はい、何となく。お店でちょっといじってたんで。HP作ったりとか」
「そうか。では好きにしなさい」
「はい。ありがとうございます」
 ――ヤッター。
 私は給湯室と入り口を挟んで反対側にある予備室に移ってノートPCを接続した。
 予備室……要するに秘書の部屋だろうか。そこの机に元々置いてあるノートPCは確かに古い感じのするデザインで、きっとずっと使われてなかったんだな……そう私に連想させた。
 ――マジで誰も長続きしなかったの? こんな楽なのに。
 そう思うけど、私だってまだ序の口だ。この先何があるかわからない。
 30万プラスαのために気をひきしめていかないと!
 で、何でここに篭ったかというと、ネット見てるうちに私もサイトを作りたくなったのだ。
 ノートパッドで整理するのっていいんだけど、どうも味気ないって言うか。他人に見てもらうとかは別として、もっと動きのあるページにしたいなって。
 ホムペ。
 カフェでもやってたしね。
 他のバイトの子と一緒に店のブログを作っていた。
 メニューの写真を撮ってアップしてコメントつけるって作業自体はとっても楽しかったけど、忙しくって毎日更新とはいかなくて。
 でもここだと時間はたっぷりある。
 ――なにやってんの、私。ここ会社よ?
 そう思いつつ指が勝手に動いて。
 ――あ。ここのPC使うと会社からだってのがばれちゃうかな?
 ……会長はネットサーフはいいって言ったけど、ホムペ立ち上げるのはどうだろう?
 聞くのはチョット恥ずかしいな。
「―――何故?」
 って言われそう。
「えーと、ついでに料理のサイト作りたいんです」
 こんなこと言ったら変な顔されるか。
 色々あさった末、ブログにしようかな……という結論に落ち着く。
 ……ちょっと考えた後、画像のアップと書き込みが携帯でできるところを選ぶ。閲覧だけここのPC使わせてもらおう、と。
 まぁ〜、やばくなったらすぐに閉じればいっか。
 そんな軽い気持ちで。
 ――HN何にしよっかな〜。タイトルは? 会長の名前出すのまずいよね……。
 呼ばれないのをいいことに、ああでもない、こーでもないと頭ひねって。
 携帯で撮ってた本日のメニュー画像を送って。
 できたー。


*しあわせおひるごはん*

プロフィール
kofi(コフィ)♀。元カフェ店員。現在わけあってとあるvip様専属でお料理を作ってます☆ただメニュー載せるだけじゃつまんないので、残さず食べてもらえたら更新しようかと。。。どうぞよろしく♪


 ……結局カフェの時のタイトルいじっただけ(漢字→ひらがな)。ちょっと恥ずかしいけど、ダサめな方が検索されにくそうでいいじゃん? もちろん職種テキトーにぼかして。
 まー、問題は中身ですヨ。『ぜーんぶ残さず』ってところがポイント。
 料理残されたらそこでストップ。そのくらいの覚悟で作らないとね、何たって月給30万超だから。超よ、超! マジらっっっきぃぃ―――……。


 ―――目指せ年収500万突破。頑張れ、私!

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