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密室の恋3 その21

 普通にスムーズに走り出した。
 本当に空港しかない山の中……ちょっとだけ開けた窓から心地よい風がそよぐ。
 この雰囲気いいな、おしゃれなんだけどきばってないというか、なんかゆるい。
 ハンドルもメーター類もレトロでメーターというより文字盤と呼んだ方がぴったりくる。
 そしてダッシュボードにちょこんと乗っかってるスマホ。
 ホルダーみたいなのに固定されてまるで小型のカーテレビである。
 そこから流れる曲が非常に心地よいのだ。

『Youtubeの動画連続再生しとーよ。好きなんあったら言って』

 と言われたが別に何でもいいのでそのまま聞いていた。
 
 カーオーディオを兼ねているのか、スピーカーに接続されてるようだ。
 パフュームオタとのことだが、これまで乗らせていただいた男子車でよくあったように、エンジンかけた途端にヒップホップ系のサウンドが大音量で流れる……というわけではないのだ。
 彼氏のプレイリストなのかな?
 なんとなく聞き覚えのあるいい感じの選曲。
 天気は上々。
 のんびりした景色。
 仲良しカップル。
 見えないハート型のシャボン玉がふわふわ浮いてそうな車内である。

 会長の思い付きで始まったようなこの視察であるが、あとから思えば、私の人生における最大のターニングポイントであった。このときの二人の雰囲気、会話……この地で起こった全てのことがのちの私の人生に大きな影響を与えるのである。
 人生というと大げさだが、私の結婚観、恋愛観、価値観、そういったものの基準となるのだ。
 この時全く気付かなかったのだが。
 更に、私が意識しないもうひとりの私が芽生えたのもこのときだった。
 ただ一人の存在のためにだけ存在する私……。
 私すら気づかない私、ゆえにその後も気づくことはない。



「もうすぐやな。ほんまにいつもの店でえーんか?」
「うんうん。オッケー。いいよね、かなは東京でオシャレな店いっぱい行ってるでしょ」
「……お任せします」

 そろそろ車窓にコーポやマンションや大きなスーパーなど、都市の姿が見え始めた頃、私の携帯の着信音が鳴った。

 見るとメールだ。



送信者『ヒロくん』
件名『沖縄なう〜』


 ヒロくん??

 ちょっとだけそわっとする。

 いつもそうしてるように、私は素早く本文を開いた。

ーーー

市川香苗様

ハーイ元気〜?(^o^)/
今頃は宇部かな?
俺は今那覇空港に来ています
これから離島に向かうところでーす
実はあんたを羽田で見かけたんだけど男と喋ってたんで遠慮しときました

いや〜あんたやっぱすごいわヽ〔゚Д゚〕
こないだもらったグミさー
待ち合わせの暇つぶしにヘタをくちゅくちゅやって遊んでたわけー
俺うまいんだぜ〜(#^.^#)ハート型に結べちゃった♥
見てたらそこに蝶が止まってさー
珍しい柄だったんでひょいとつまんで捕まえたのよ
そしたら白衣のおっさんがやってきて大騒ぎされてさーー
なんとソレ近所の研究所から逃げてきた新種の蝶だったんだ(@_@。
俺えらい感謝されちゃってさーー
『ぜひぜひお礼がしたい!!』つーて号泣(笑)
ということで沖縄研究旅行に招待されちゃいました〜(^Д^)
こっちってあったかいな〜☆彡
このあと台湾にも行くんだよ〜
台湾キドクガって知ってる〜?
見るからにチョー痛そうな蛾なんだけどその毒使った新薬開発中なんだってー
俺も学者の端くれなもんでそういう話に目がなくってさ〜
楽しい旅になりそうじゃ(*^^)vワクワク

そっちはえびの養殖場の視察だったんだね!
今晩は伊勢海老の姿造りかな?うまそ〜じゃん\(^▽^)/
兄さん西国嫌いの上にエビだからあんたに回したのかな?(#^.^#)
おもいきり西日本人のあんたをそばに置いてるくらいだから今はそーでもないのかな?
でもエビはまだダメだったんだね!
ABのくせにね^^兄さんAB型だよ知ってる?

それとお節介かもしれないけどあんま男と親しげにしないほうがいいよ
兄さん案外嫉妬深いところあるからさ

じゃあまたね〜(*^-^*)ノ~~


ヒロくんより


ーーー



 なんじゃこりゃ……
 高広くんか……
 思い切り人格崩壊してるわ……
 こんな奴だったんだ高広くん……
 句読点なし顔文字だらけ……
 しかも男からこんな長文メール……

 なんで私のメアド……ああそうか……一度赤外線したんだっけ……


 しげしげと眺めてるうちにはっとなった。

 これ!
 これを会長に見せたらいいんじゃん。
 馬鹿め。
 わざわざメールを送ってくるとは。

 よしよし、手間が省けたわ。
 ていうか、やっぱ高広くんもお兄さんに会いたいんじゃん?
 でなきゃみすみす……。

 などと思案していると
 また着信が。



送信者『ヒロくん』
件名『つづき』

ーーー

このメール兄さんに見せようって思ってない?
見せてもいいよ〜ん♪おまかせします(#^.^#)
なんかもーあれこれストーリー練るの面倒くさくなってきちゃった(* ̄д ̄)
あんたに任せたほうが面白くしてくれそう〜
あんたに一任するから俺のことバラそうが何しようが好きにして(笑
別に前連絡くれなくっていいから
あんたがどう出ようがアドリブであわせてあげるよ


じゃあね〜
ビーチで遊んできマース(´ー`)/~~



ーついしんー


あんたと俺がメールする仲だって知ったら兄さんどんな反応するかな??

おもしれえ〜〜!!!!!
けどちょっとこわっ・・・
はめられたって怒るかな(-ω-;)
勝手なんだよな〜自分の思い通りに動かないと気に入らないわけ
同じこと女にされたら即別れるくせに(苦笑
くれぐれも俺にとばっちりこないようにしてね♥
ばらしやすいように画像送っとくわ

ヒロくんでしたー


ーーー


 目が点。
 何こいつーー。
 すっかり読まれてるし。

『あんたと俺がメールする仲だって知ったら兄さんどんな反応するかな??』


 だと!?

 どんな仲だよ。
 あんたが勝手に送ってきたんじゃん!
 私のせいにするなー!

 すぐに画像も送ってきた。

 ばっちり本人がうつってるやつだ。
 多分空港だろうな。
 それっぽい窓が後ろに見えるわ。

 これ……確かに証拠物件だが。
 私にどうしろと?


 こないだ全否定されたばっかり。

 それに……。
 嫉妬深い……だと?


密室の恋3 | comments(3) | trackbacks(0)

密室の恋3 その22

「かな、かなったら!」


「えっ?」


「どうしたの? さっきからずっとケータイ見て」


「あ、ごご、ごめん」


「もう頼んじゃったよ。かなはどうする?」


「えっ? あ、と、とりあえず同じので」


「あとでまた追加すればええやろ」


 彼らが案内してくれた店はあっきのアパートからすぐのごく普通の『中華料理屋』だった。
 いつもの店、なんて言うからお好み焼きかな?と思っていたのだが。広島だし。
 別にそれはそれでいいのだが、私ったらずっと携帯とにらめっこしていたらしい。

 感じ悪いよね。


『平気で携帯をいじってるし…いい度胸してるな』



 胸に寒い風が吹くと同時につい先日会長に言われたセリフが頭をよぎる。

 ヤバ。


 これだ。これがダメなんだー私。


「ごめん、つい」


「ふふ、彼氏から?」


 ドキ。


「ち、ちが」


「いやーん、超かっこいいじゃん!」


 開けっ放しの私の携帯を覗いてあっき。

 四人がけの小さなテーブル席に女二人並んで向かい側に彼氏、という構図なのだ。

 し、しまった、高広くんの画像…


「えー? 彼氏もどこかお出かけ中?」


 画像タイトル


『いざリゾートへ\(^o^)/』


……。


 ちがう…ちがう…ちがーーう!!


「ち、ちがうの! この人はえーと、会社の上司の弟さんっていうか」

「え?」


 あっきは目を丸めた。


「かな、前付き合ってた人じゃないんだ?」


「え?」


 今度は私がきょとん、だ。


「あ、そ、それは、も、もうだいぶ前に…」


「あ、そうなんだ、ふうん」


 そ、そうか。私の彼氏事情、知らなくて当然だ。

 私、東京に出てきてからの男関係、殆ど地元の子に知らせてない。

 いるかいないかくらいで。

 まだ付き合ってる頃、ちょっとその事はなしたくらいだから、そのままだと思われてても不思議じゃない。


「へー、それで今は会社の人の弟さんといい感じなんだ?」


 えっ?


「いや、そうじゃなくって、これは…えーーっと」


 しどろもどろに否定してると最初の一品がやってきた。「ハイ、お待たせしました」


「きたきた」

「えへへ〜、これこれ。かな、どうぞ」

 天ぷら盛り合わせだ。

 うまそー。

 でも天ぷら? 中華料理屋…だったよね?

 とふと疑問に思ったが、箸が動くほうが早い。


「いただきま〜す」

 揚げたての天ぷらのにおいごと、ぱくっと口へ放り込んだ。

「おいし〜。これ何?」

 まず衣は当然ながらさっくさく。中のものはこりこりして…肉汁といってよいのか…それが口の中いっぱいに広がって…じゅわわーー…

 なかなか噛み切れない?

「白肉天だよ〜」

「シロニク?」

「ミノミノ。焼肉でよく食べるじゃん? あれあれ」


 あっきも食べながら説明してくれる。


「ミノー?」

 私は焼肉の網にミノがのっかってる図を想像してみた。

 炭火の上で汁が下に落ちてはじゅーじゅー焦げてくミノ。

 あれはあれでうまいが、天ぷらにするとこんな味になるんだ。

 ほぉ〜〜〜。


「こりこりしてるでしょ」

「うん。ミノの天ぷらなんて初めて食べた〜」

 あっきはうんうん頷いて、

「前はさー中華って言うと麻婆とかエビチリとか頼んでたんだけどー最近はここへ来てこればっかりなんだー」

「うんうん、美味しい〜〜。ありがとっ」

「よかった〜。おやじメニューもたまにはいいでしょ。こっちは豚天ね」

 あっきご満悦。

 これ食べさせたかったのかな。

 豚天の方も美味である。

 中華料理屋さんのメニューでこんな…ご当地グルメってやつだろうか。

 よく言われることだが、おっさん御用達のこういう店にこそ逸品が潜んでいるものだ。


「なあ、いけるやろ」

 彼氏も満足げである。

「俺もこれここ来て初めて食うたんや」

「へーそうなんだ」

「広島じゃポピュラーなんやな。この前居酒屋にもあったで」

「ビールに合いそうですね」

「お。いける口? 飲んでもええよ」

 いえいえ、一応仕事なんで。と首を振ると彼氏は笑った。

「最初は白肉て何や? 思うたけどな」

 白肉。

 ミノか。

 これは何やら使えそうなメニューである。

 男が好きそうなメニュー、いわゆるゲテモノ系。

 それに男ってやっぱ揚げ物好きだからさ。

 今度会長室で若手の子集めてプレゼンの前練習やるって言ってたからその時のつまみにどうだろうか。

 ミノに天ぷら粉つけて揚げればいいんでしょ?

 などと。

 つい職業病だろうか。

 頭が勝手に料理の手順をシミュレートするのだ。

 フムフム…

 くちゃくちゃ口を動かしつつ固まる私の前をあっきの手がよぎった。


「みっくん、携帯かして〜」

「ん」

 すんごい早業で何やらいじくると、「もしも〜し、あたし・・」おなじみの八宝菜やレバニラも届いて彩り豊かなテーブルの上にスマホをかざした。「ランチなう〜」 次に隣の私に向け、「今日はかなも一緒デース」

 なになに?

 ビデオ通話か。

 とっさににこっとする私。

 ピースまでして。

 慣れとは怖いものだ。

 あっきは立ち上がると彼氏のそばに寄った。


「これから山口にいってきまーす。角島でいか買ってくるね♪」

 と、ケータイの前で彼氏と頬寄せ合ってにっこり。

「やだ〜。向こうもランチだって〜〜」

 ケータイから何やら音声が漏れる。

 懐かしい松江訛りの言葉だ。

 あっきは楽しそうにやりとりして、携帯を置いた。

 どうやら相手は親らしい。

「あっき、なに〜? おばさんと?」

 私は尋ねた。


「そうそう。お母さんスマホにしてさ〜。みっくんのと同じだからしょっちゅうやりとりしてるのー」


 え、もうそんな仲なの…

「みっくんと一緒にいるとこ見せたらお母さんすんごい喜ぶんだよね〜」

 なるほど。

 彼氏かっこいいから…

 落ち着いた感じだしおばさんも安心なのかな。

 前彼のようにちょっぴりやんちゃ系とかじゃなく…

 見ていて安心を覚える彼氏? フフ。

 などとつい母親の立場で考える私である。

 なんとなくわかる気がする。

 安心というか得体の知れない不安を感じなくて済むというか…やっぱ男も見た目よね。

 それに。

 人前でいきなり携帯かざして。

 なんて別に私だけじゃないじゃん。

 彼氏も全然怒んないし。

 ていうか楽しそう。


 何この差…ブツブツ…。

 誰にぶつけるでもない不満がフツフツと湧いてくるのである。


「俺も親父にこれ見せたんや。そしたら『ミノか。そういえば昔どこかで食った覚えがあるで』言い出してな。探してきとんねん。大阪の店らしいわ」


 とスマホをいじりながら彼氏。

「へえ〜」

「気に入っとるみたいや。こないだもお袋連れて行ってきてん。その店じゃミノ天いうらしいけどな」

「そうなんだ〜」


 ハイ、文句なし。

 もうひと皿追加〜。

 オシャレには程遠いが『きたなトラン』ほど薄汚れてもなく、実になんでもない普通の店だったが。

 その後皿うどんやラーメンも追加し、私はとっても満足したのだった。

 新レシピげっとぉ〜〜。
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密室の恋3 その23

「遠いなあ……」

山口を中心とした道路図を改めて見上げてため息が出た。
何が遠いかというと広島市と広島空港の距離だ。
こんなに離れてたんだ。
よくもしゃあしゃあと迎えに来させたな、私。
しかも全部高速だ。
広島空港〜広島市に入ったところで一旦市街地へ降りて昼食。再び高速へ……山口〜宇部。そこで高速を降り私を下ろしてまたまた高速……目的地の長門湯本温泉へ。
うわー。全然『ついで』じゃないじゃん。高速降りたりのったり……走行距離何キロになるんだろう。ひーー……。
「あともう少しやな」
彼氏がやって来た。
ランチ後山陽自動車道をひたすら下り、下松サービスエリアでちょっとひといき中の私たちである。あっきはトイレに行っている。
「どうもありがとうございました。わざわざ迎えに来ていだいて」
今更ながら再度感謝の意を述べる。何この変わり身の速さ。こんなに親切な人だって思わないからさ……。ひたすら頭を下げるしかないの。彼氏は全然気にしてない様子だ。むしろかしこまってお礼を言われたことにちょっとびっくりしてる感じ。
「遠いなあって思って」
「え、何が」
何もかも。こうして地図見ると自分がありんこ程度の存在だってのがよくわかる。私は車を保有するどころか免許すら持ってないのだ。会長のように金持ちでもないし。はあーー……。
「明日は実家に帰ろうと思ってたんだけど……バス出てたかな」
「バス? 松江まで? バスはないやろ」
やっぱそうか。ぼんやりバスで帰ろうなんて思っていたが。東京に戻ったほうが無難かな。
「なに、帰るん? バス乗り継ぐんやったらJRのが断然早いやろ。特急が走っとったはずや。スーパーおきやったかな」
スーパーおき(笑)! なんてローカルな響きなんだ。
「そんなのありましたかね」
「あるで。鳥取行きか、米子止まりか。明日遅いん?」
「うーーん、3時くらいかなあ」
「夕方新山口発がなかったかな。2、3便あったと思うで。そんなかからんはずや。4時間切るで」
……それは確かに早いな。しかしそれでも4時間弱。笑っちゃうわ。おーい何が『キミにとっては庭だろう』なの。会長…。
「夕日見れるんちゃう? 日本海の。益田〜松江……ぎりぎり見えへんやろか。山口線が時間かかるねん」
「夕日かあ」
そういえばそんなもん見れるんだあ。ずっと海岸沿いだからね。しかし恐ろしいほど何もない沿線だ。
「山陰本線て絶景続きやろ。地元のもんにはそうでもないんか? 俺なんぼでもシャッター切ってしまいそうや」
そうかあ。夕日なんてあんまし見ないなあ。ノリで出雲まで初日の出を見に行くくらいだ。観光ポスターでよく見る『宍道湖に沈む夕陽』あれもじっくり見たことないかも。うち沿岸部じゃないし。
「津和野で時間潰してもええかもな。うまい駅弁あったやろ」
「駅弁?」
「ああ。ちらし寿司のような……炊き込みのなあ」
へええ。なんか美味しそう。でも……。
「津和野かあ……」
私が大きなため息をつくと彼氏は笑った。
「なんやなんや……つまらんか? 津和野」
「まだ山口の方が時間潰せそう」
そう返すともっとおかしそうに笑われてしまった。「あっきも同じ反応やったで」彼氏の目尻にシワが寄る。もちろんおっさんのシワじゃなくて素敵な笑いジワだ。その笑顔チョー素敵だ。
ちなみに私の男のチェックポイントのひとつに髪の色と質感がある。この人みたいな感じだとホントベスト。深いこっくりした栗のような色で耳のところでぐりっとうねってる。この格好良いカール具合。直毛を耳のところでまっすぐ切りそろえてるのはあまり好きじゃないのだ。髪の色も真っ黒よりはブラウンだ。今の会長の髪の色から気持ち黄色が増した、美容室でカラーしてもらうときに見せてもらうカラーサンプル一束分くらい明るい感じ。イケメンて髪の色も重要よね。
「君ら津和野に冷たいな。同じ小京都仲間やん」
彼氏はそんな私の品定めなど気づくわけもなく苦笑した。
小京都……ねえ。
「道後に行く前にな『津和野はどうや』きいたんや。そしたら、『津和野に何しに行くん?』言われたわ。即答やったで」
そっか。でしょうね。あっきもむやみやたらルンルンしてるわけじゃないんだ。
「津和野……立派な島根の観光地やろ。女の子好きそうやけどな」
そう。津和野は山口だと思われがちだが、島根県なのである。
山陰の小京都? SLやまぐち号? それがどうした。悪いが私も同様の返事をするだろう。
山あいの小さな町である。昔ながらの古民家が数多く残っていて、道ばたには鯉が泳いでたりする。
たしかに風情はある。だが実際古民家が実家な私(笑)には津和野で一体何をするの? なのだ。
正確には古民家なのは実家のおじいちゃんとおばあちゃんの住んでる母屋だが。
いまだに囲炉裏(笑)かまど(笑)井戸(笑)健在で、そんな家近所にごろごろある。
つまり松江市の外れもいいところなのですよ。
そういう家に住んでてわざわざ同じようなところに旅行に……同じような民家にお金だして泊まろうなどとは思えないのである。
さすがに最近はかまどは封印してるが。
代わりに電子レンジなる文明の利器が登場し、それと囲炉裏で暖房も料理もこと足るという。
まあついつい(笑)なんてつけてしまうが、中々捨てたもんではないのだ。
滅多にないけど断水時とか停電のときとか威力を発揮。同じ敷地の我が家族も助かるのである。
囲炉裏に食材を突き刺しておけば30分後には炭火焼ができてるしね。
天井すすだらけだが害虫寄けにもなってるし。
真冬でも囲炉裏に火を起こしておけば家全体があったかい。
がらんと広いのでごろごろするにはうってつけである。

『またこんなところで寝とる。ねこみたいなやっちゃ』

なんてよく足で蹴っ飛ばされそうになったもんだ。
私のニャンコロ属性はそんなところから来ているのかもしれない。
タクシーで会長によしよしされてる自分の姿を思い浮かべてそう思った。

「お寿司かあ……美味しそう」

たまにはJRの旅もいいかも……なんて思えてきたりもして……。
この人うまいね。仕事何してるのか聞いてなかったが、JRの人じゃないよね?
会長もこんな風に言ってくれればいいのに。

『津和野に美味しい駅弁があるだろう? それを食べながら夕日を見ていれば3時間少々の旅なんてあっというまだよ。益田からずっと綺麗な海岸線が続くんだ。停車中にシャッターを押すと旅の記録にもなるだろう。カメラは断然一眼レフだね』

なあんてね。
ナイナイ。
そもそもスーパーおきなんてローカル中のローカルな列車知りもしないだろう。

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密室の恋3 その24

あっきが戻ってくると 彼氏は何か買ってくると言って建物の方に向かった。私たちはテラスに座ってそれを見ていた。
「めっちゃいい人じゃん。いいなあ、あっき」
「えへへ、でしょ。いつもあんな感じ。この人怒ったことないんじゃないかってくらい穏やかなんだ」
「へぇー」
なんて唸っちゃうよね。そんな人いるんだ。
「車で遠出してもさ、見る景色が違って見えるんだよね。あれ、こここんなだったっけ? こんな店あった?とかさ。ゆったりしていられるの」
うーん。それは、前彼との比較かな。前彼はチャキチャキしてて面白い人ではあったが、ツーといえばカー、つまらんボケは許さへん、て感じだったわ。関西人じゃないけど。
一方現彼氏は遠くでお馴染みのものを買ってくれてるようだ。
「頭の中流れる音楽が変わった。悲しい曲がどこかへ消えて思い出せなくなったの」
「ふうん?」
「リクエストなんでもいい、言うてもやっぱこれやろ。な、ハイ」
「わーい、ありがと」
みかんのソフトクリームだ。
「きゃー安定の美味しさ」
「久しぶりだわー」
ドライブでだれた体にはコレでしょ。甘ったるくなくてシャキッとするんだよね。
「しまなみでも食べたよねー、みっくん。ジュースも美味しかったなー」
ハイハイ‥‥。みかんソフトを食べているにもかかわらず手を握って。ラブなひとたちだよ。何なのこのワザ‥‥。


西の果て下関の手前、美祢インターが近づいてきた。
「うわ、なつかし」
「よく遊んだよね〜この辺。あと、秋吉台とかさ」
つい私が呟くとあっきが振り返った。山口のこの辺りはかつて私たちの『庭』だった。
「なつかしーねー、あのころ‥‥若かったわあ。うちらも年取ったなあ」
「なんや、年寄りみたいに。ほんの 5、6年前やろ」
彼氏が笑いながら言った。
「ちがーう、私、高校出てすぐ免許とったもん。やから、10年近く前。練習にって高速使わせてもらいました」
そう。帰省すると地元友とドライブ。私は乗せてもらった口だ。
「おなじみ宍道湖一周もね」
「そうっ、そうそう。初ドライブはそれだよねー、うちら山陰の民は」
「あはっ、そうなんや。俺らで言う琵琶湖一周みたいなんがあるんやな」
あっきの初車。それは小さな中古の軽だった。おっかなびっくり(ヤンチャ系)女子旅。ヤンチャな男子にちょっかい出されたこともしばしば。それが今はこんな素敵な彼氏の運転で。感慨深いわ。
「俺の初ドライブは九州やったわ。虹の松原もええで。ほんま車あると誰もじっとしとらんねん。思い立って小倉に飯食いに行ったり、訳もなく阿蘇の蕎麦街道抜けたりな。なかなかおもろいで。景色が違うねん。今度連れてったるわ」
「わーい」
この彼氏。何がいいって独特のこのイントネーションが心地いいねん。神戸と福岡と広島のいいとこ取りしたような、柔らかい関西弁なのだよ。間違っても任侠系じゃおまへんで。当時上京したての私にはクソ田舎としか映らなかった風景の筈なのに‥‥のどかで優しい‥‥何だかジブリの世界にいるようだ。




「えー、ここ?」
ナビの案内通りに到着した場所は‥‥海と川の混じるだだっ広い空き地というか草っ原というか‥‥コンクリートの門構えらしきものの前に車は止まった。
ここでしょうね。奥にビルが見えるわ。
「どうもありがとうございました。あっき、わざわざ寄ってもらってありがとー。またメールする」
「うん。こっちこそ。久々会えて楽しかった」
「じゃあ、彼氏さんとごゆっくり」
と、ニコリ。行こうとした私の腕をあっきが引っ張った。
「かーな、東京のカレ、今度紹介してよっ」
えっ‥‥。
「じゃあねえ、バイバイ」
るんっと振り返り、車に戻った。
違うんだって。
反論する隙もない。
荒地の向こうから人々が現れた。
「遠路はるばるようこそ! お待ちしておりました」
中年のおじさんたちが、にこにこ手を合わせてやってきた。
途端に空気が変わった。
荷物を置いて古ぼけたビルの向こうに広がる敷地を案内してもらう。コンクリのブロック塀がちょこちょこ連なり何かの跡地のようだ。
「今はこんなですが、昔は立派な計画もあったんですよ。遊園地になる予定でした」
「はあ‥‥」
そういえばそんなこと書いてあったな?
顔に出さないように記憶を辿る私。
おじさんたち四人。長い昔話が続いた。
「‥‥それはもう私どもの悲願でして。会長様にお声をかけていただいて生き返った気持ちです」
ちょっと会長、こんな小娘に重すぎやしませんか。私は 精一杯口角を上げ頷いた。
「あのう、すみません。これ‥‥目を通しておいてもらえますか」
「はい」
「事業計画書というか、要望書なんですが」
と資料を渡された。
「明日の視察まで是非お目通しを」
視察‥‥。息を吐き、受け取ったオレンジの表紙に視線を落とした。
なんだこれ。

『(仮)オエビランド 開発事業実施計画書』って書いてあるぞ。
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密室の恋3 その25

「うー、なんて書こう」
 
ビジネスホテルのような一室に通されて、壁際のコンソールにてタブレットをつないだ。
とりあえず報告、だよね。
社内クラウド‥‥はめんどいからメールで失礼。

『無事到着しました』

すぐに返信が。お、今PC中か?

『ご苦労様。今日はゆっくりしていなさい」

『会長、こんなのもらっちゃったんですがどうすれば?』

ちゃちゃっと(仮)オエビランドの画像を転送。
言葉考えるよりこれの方が早い。

『目を通す程度でいいよ。君は君の視点で思ったことを報告してくれ』

はあ‥‥。さらっと言ってくれちゃって。

『君がいつもブログに書いている調子でいいんだよ。施設の様子を撮って送ってくれてもいい、君がそれについてどう思うかそういう普通の感覚が欲しいんだ』

ブログねえ‥‥。それならお安い御用だ。
けど、一応社員だし。
ただのモニターなら好き勝手言えるのに。
んん、て、ブログ!? 
そういえば会長も我がブログの読者だった!
ひー、恥ずかしー。

『ブログブログ言わないで下さい(ていうか読むなよ)!わかりました。次は明日以降ということで』
『OK。楽しみにしてるよ』

PCの向こうでニヤついてる顔が浮かんだ。
毎度のことだけどなんかくやしーわ。
手のひらで踊らされてる感‥‥。



「ここは夕日が綺麗なんですよ」

車は海岸線に出た。

「うわ、キレイー」

海も空もオレンジの世界。光の束が降り注いでる。割と有名なこの辺の夕日スポットである。
いやめっちゃすごいじゃん。こんなに夕日らしい夕日はそうそう見ないよ。山陰に住んでると宍道湖の夕日が見れていいねえなんて言われるが宍道湖ばっかり見てるわけじゃないから!
高いパームツリーの醸し出すリゾート感。一帯が綺麗に整備されていて人も結構いる。

「さあ、どうぞどうぞ」

そこの小洒落た建物で私はおもてなしされるようだ。
入り口に人が立っている。

「はじめまして。高田です」

若い男の人が名刺を差し出した。おじさんの内の一人と同じ苗字‥‥。「僕が案内します」ドアを開け私は席にエスコートされた。
中は貸切で夕日を望むテーブルは品よくセッティングされている。

「ワインをよろしいでしょうか」

給仕さんに丁重にお辞儀されて。
ワオ、もちろんですとも!
お任せのワインがグラスに注がれる。

「乾杯!」

素敵〜。
こんなレディーな扱い久しぶりかも。
いや‥‥初めてかもしれない。
会長と一緒の時を除いて。

「全部うちのエビなんですよ。今日は特別に調理してもらいました」

高田さんが隣に座って説明を始めた。「車海老とジャガイモのコンフィです」
その周りにおじさんが三人。

「ウチのイチオシなんですよ。どうですか?」

どうって美味いに決まってるじゃん!
鮮度抜群ピチピチのエビをコンフィ!揚げ物や炒め物とは全然別の味。低温オイル蒸し煮よね。この調理法考えた人すごいわ。

「美味しいです」
「よかった。こちらもどうぞ。レモンをたっぷりかけて」

スクイーザーをぎゅっと絞って、すくもエビのフリットへ。熱い衣から爽やかな香りがふわーと上がって、ハーたまんない〜。

「養殖のメインはちょっと品種が違うんですが、どうです、これ、歯ごたえよくないですか?」
「ええ」

すくもエビは会長に出したことがあるわ。
白っぽくてモチっとしててしんじょやがんもに混ぜてもイケる。
そんなに海老海老してないのでエビ嫌いにもオススメ。

「きれいですねえ」

窓の向こうの夕焼けにうっとり。いよいよクライマックスよ。

「ここは人の手が入っていいんですけどね」

海じゃなくて九州に沈むの。低い山並みに差し掛かり光り輝いたかと思うと急激に明度が落ちる。オレンジからグレーへ。高田さんの口調も少しトーンダウンした。

「養殖がやっと軌道に乗りそうなんです。でもどうにも不安が拭えなくて。それだけでこの先やっていけるかどうか‥‥」

そうよね。
あの廃墟のような有様じゃね。
そのための設備投資なのだ。

「計画書見ていただけました?全体的な見直しをということでしたのでー」
 
おっと、きたな。

「は、ハイ」
「どうでしょう?  我々の希望はそういうところでして」

会長に取り上げてもらえるかってこと?
わかんないよ。私には。
てか、オエビランドて。
ざっと見たところエビの釣り堀のある複合施設といったところだが。
会長はエビが嫌いなんですよね‥‥特に小エビが。

「‥‥のように大人から子供まで楽しめるスポットにしたいんです」

気持ちはわかる‥‥でもちゃんと言っとかないと。
私の専門はそれじゃない。

「申し訳ありません。私は管轄外なのでお答えできません。施設の件につきましては後ほど担当の者が改めてご挨拶に伺うと思います」

そっちに言ってくりー。多分まともな人が来るだろうから。
はあ、管轄外なんて初めて口にするわ。

「そ、そうでしたな!市川さんは会長様へお料理をお出しされているんですよね。申し訳ありません。ついペラペラ余計なことを」

おじさんの一人が口を挟む。

「い、いえ」
「何でも重役会議や重要取引での会食もこなされているとか」

そ、それは。間違いじゃないけど。

「私らには雲の上の出来事ですな」
「そんなことは」

一体どういう風に伝わっているのだろう。多分おそらくおじさんたちが想像してるよりだいぶゆるーい感じだ。「え、そーなん?」高田さんがキョトンとした顔で見てる。
あーもう認めちゃえ!
どんな経路を取ろうともそうなっちゃったんだから。会長のお墨付きよ!
私は会長料理人&ブロガー!
ヘイヘイ、ちょいと失礼ーー。
私は携帯を取り出し、料理にカメラを合わせた。
カシャ。
やっぱこれよ。いつもの。
じゃんじゃん持ってきてくれい。

「お、おお、ではとにかくエビを食べていただかないと」

大皿がやってきた。
伊勢海老だー。
言うこと言ってすっきりしたわ。いただきまーす。

「全国的には全く知られてませんがね、近辺のホテルにもう10年以上下ろしてます」

うんうん、わかるわ。伊勢でなくともイセエビは育つ!
うまければ良いのだ。
湯引きした肉のプリプリ甘いこと。
思い出すなあ‥‥会長に捌いてもらったっけ。
ガーリックシュリンプもつまむ。
おじさんたちに囲まれているのに気にせず手掴みだ。

「天使のエビってあるでしょう?アレを狙って改良中なんですよ。どうでしょう?」

天使のエビ。ニューカレドニアかどっかのめちゃ高いエビ?聞いたことはあるけど食べたことはないなあ。会長、エビが嫌いなんだもん。

「いいんじゃないですか。あれって高いですよね」

知らないけど言っちゃう。

「ええ。価格はもっと抑えられますよ」

そうなんだ。うまうま〜。
図表をさっと出された。ナニナニ?
エビの種類別全国市場相場だって。

「このエビを量産できればご提示いただいた食品加工に回せると思ってるんです。どうでしょう。海老チリやグラタンに程よいサイズでーー」

きた。
それよ、それそれ。私に任されたお仕事。
このエビ使ったメニューを考えるのかー。
なんか楽しそうじゃん?

「バナメイやブラックタイガーのようなインパクトがほしいんですわ。味には自信あります。実際いくつかのレストランでの実績も上がってきてます」
「そうですか。何たって国産ですものね」

みんな頷く。それが強みよね。よし、頑張るぞー。

「ウナギの養殖も始めたんですよ」
「ウナギ?」
「日生のシャコウナギはご存知ですかな」
「いえ」
「児島湾のシャコを食べて育ったウナギですよ。これが実に美味いんですわ」
「へえ」

なにそれ。うまそう‥‥。日生って岡山ね。

「ケ◯ミンショーでやったっちゃよ、高級魚で全国から食べに来ると」

高田さんが身を乗り出した。
興奮するとお国言葉が飛び出すものだ。
山口人の場合は語尾にちゃをつける。
久々に聞くわ。

「あれをうちでも育てたいっちゃ。ウナギの味が違うんよ」

わざわざ食べに行ったのかな。
ウナギ美味いよね〜。
‥‥会長のブラックリストにあったかも?

「画像使わせてもらってもいいですか?  実は私ブログやってまして」
「ええ、是非。実は私もやってましてな‥‥見ませんか?日生のウナギ」

シャレオツなレストランでおじさんにスマホ見せてもらう‥‥。
立派なウナギの姿とうな重‥‥美味しそうっ。

「これとこれ‥‥ああ、穴子の天ぷらもうまいんだ」

ふんふん。おじさんは揚げ物コッテリ好きか。
天ぷら、そういえば‥‥

「お昼にミノの天ぷらを頂いたのですがとっても美味しかったです。ご存知ですか?」
「おー広島の?知っちょるよ、ビールに合うんよねえ」
「わかるー」
「タレ付いちょるやろ。俺は塩がすきっちゃ。あれは揚げたてやないとあかんけどな」
「うんうん。皆さんいつもエビや鰻食べれていいですね」
「やー、いつもやないっちゃ。こんなん贅沢品すよ」

やっぱ私の本業は食い物‥‥料理があればなんとかなる!
リゾット、パエリア、生海老、海老チリ‥‥出てくる出てくる、居酒屋か!
和洋折衷、美味しいものに囲まれてし・あ・わ・せ〜。
ラストはシンプルにアイスときた。

「かき餅にアイス付けて食べると美味しいんですよ。会長にも時々お出しします」
「煎餅か?えびせんならあるっちゃ。持ってきましょうか?」

高田さんのセリフと同時に人が動いてさっと出された。
薄いピンク色の揚げ餅。お花の形してカルディの花せんみたいよ。「道の駅にも出しとるんよ」
アイスをのっけてパクリ。サックサク〜。甘いアイスにしょっぱいエビ風味がベストマッチ。この甘辛ミックスって言うんですか?これももはや定番よね。「どうぞ」高田さんにもおすそ分けして。会長の普段のランチ画像を見せてみる。

「へええ、会長さんはハイカラなもん食べられるんですねえ」
「こりゃ誠二、会長さんはまだお若いんじゃ。そうですよね?」

おじさんにチャチャ入れられて。
ふうん、この二人、やっぱり親子だったんだ。
そういえば‥‥なんとなく似てるわ。
 

部屋に戻り とりあえず画像をクラウドに保存。
土産にもらったおせんべいぽりぽりやりながら眺める。
エビエビエビ‥‥見事にオールエビだ。

「これ普通にお店で食べたらいくら位するのかなあ」

素朴な疑問が。
一万くらい?
やっぱ出張の醍醐味はこれよね。完全おごりの接待!
ウナギも美味しそうだったな。
日生のウナギ‥‥検索して‥‥マジでシャコ食いのウナギなんているんだ、さぞかし贅沢な食肉を蓄えているだろう。会長甘辛いタレは苦手そうだから‥‥天ぷらにして山椒塩を添えれば和ランチに出せるかも?
おじさんにもらった画像も保存しとこう。何かに使えそう‥‥
は、いかん、ブログじゃないんだ。つい、せんべいが進んでいつもの調子に‥‥やめられない、止まらない。
本番は明日だ。
その後ちゃんと編集しますから、それまでこれは見ないでね、会長‥‥。

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